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物凄く、大切なお客様。

物凄く、大切なお客様。


僕の店には、90をゆうに超え、こうして来てくれる人がいる。

最初にお会いしたのは、まだその方が80代の頃。

あったかいコートが欲しいと
来られ、僕はL、あなたはMが良いとなりました。

僕は言うだけは言いましたので
Mのままお売りし
どうしても、気持ち良く売れなかったので
やっぱりこっちのサイズが良いと思えば、必ず言って下さいね。
とお見送り。

しばらくして、照れたように
ごめん。ちょっと着てしまったけど、大きい方がええんや。ごめん。
と持って来てくれたのが一番最初の始まりでした。

以来、話しをしに来てくれる。
たまに、戦争の時とか、この人に聞きたいな。と思う事を聞いたりしている。

あんたの着てる、それはどこや?
とだんだん、お揃いのような格好にもなってきて
それも嬉しい。

このネクタイ、ええな。

ネクタイをしなければならない場など無いにも関わらず
このネクタイをしたい。とただそれだけで、ネクタイをする。
その純粋さに、その純粋さに応えられる事に
僕は、この店と、この仕事をしている幸せが
大波のように押し寄せ、その中を漂う。

ありがとうございます。

一度だけ、それ、嫌です。
と。偉そうにも注意した事がある。

年取るのは、情けない。
年取るのは、悲しい。
年取ったら、いかんのぅ。

と、その話題が続いた時でした。

僕は、言った。

誰でも、絶対に年を取るんです。
僕もです。誰でもです。
でも、僕は、あなたがここに来てくれている。
その事に誇りを感じてる。
僕は、あなたのようになりたい。
年を取っても、こういう店に入り
ネクタイを買い
オシャレと思ってないままに、オシャレやな。
と思われる人になりたい。

年上の人は、年下の人に
ああいう人になりたいな。
と思わせ、年を取るのをいい事だと教えて欲しい。
僕も、そういうつもりで、自分より若い子には接しているんです。

だから、もう、それは言わんといてください。

憧れさせ続けてください。



以来、本当に言わなくなった。

やっぱ、カッコええやんか。 そう、思う。

あなたは、そうでなくっちゃ。と、本気で思う。


ある日。
退職したから、服要らないんや。
オシャレしたって着ていくとこないんや。

そんな事を言いにご来店された方がいた。
お返事に、僕の言いたい事を言う。
会話が噛み合わない。

そんな時に、ちょうど、この人が来てくれた事があった。

こういうことです。
僕のお店はこういう事をする為なんです。
と、まさに、現在進行形と、目の前の現実で説明できた事があった。

でも、まだ、言われる。

それは金があるけんやろ。
あの人は、年金まだもらえてるやん。と。

また、応える。

違います。今はお金じゃないです。
何がしたくて、どこに行きたくて、どんな風になりたくて、予算を全部正直に話して下さい。

その中で、最大限、提案します。
僕のお店にできなくても
僕の知識で、どこのお店の方が適切か分かれば、それもお伝えします。
何か、話したら恥ずかしい。とか思われるかもしれませんが
そんな事はないです。
僕はオシャレがしたいって人の徹底的な味方です。

その人は言った。
そこまで考えてないわ。

かしこまりました。
閉店時間は夜7時半です。

それまで、どれだけ居ても構いません。
好きなように試着して下さい。
まずは、ピンと来るまで、ゆっくり見て下さい。

僕はあの人に珈琲淹れてきます。

その人、珈琲淹れてる間に帰っちゃったけど
だんだんと、GINCHOが染み込んでいけたら良いな。と思いながら

また、この人と話せる喜びにかえってゆく。

僕は、好きな服を着、並べ、飾るだけで、幸せなわけじゃない。
そう、教えられる。
そう、教えてくれるお客様が、大好きだ。



 

2020-01-27 11:42:09

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