セレクトショップGINCHOの店長20180414

セレクトショップGINCHOの店長20180414

セレクトショップGINCHOの店長20180414

 

昨日は印象的な出来事が二つありました。
 
〈余命の少ないお客様〉
僕の事を小さいころから知っていて、とても親しくしてくださる
好きなお客様がいらっしゃいます。
僕が取り仕切るようになって10年以上経ちますが、実際の購入金額はほとんどありません。
けど、好きです。
以前、ほめちぎるだけで、結局買わないお客様と意見交換の話を書きましたが
同じ事をされますが、僕の中ではすごく違うのです。
 
その方は自分の事をよく知ってます。
どんどん痩せ細っています。
でも、ちゃんとオシャレであり続けています。
”いつもの○○さん”ってオーラを出してきます。
そのことが、どれだけ難しいことであるのか。
そうできるために、どれだけ普段からそうあろうとしなくてはいけないのか。
ということを僕は知っています。
たくさん、言葉で説明されるよりも、その一瞬で多くを語ります。
そんなだから好きです。
 
『ごめんね。今日も買えないけど見せてね』って言います。
もう、ほとんどお金がないのは知ってます。
あるだろうけど、事情があるんだろうと、知ってます。
だから、その方は、全然買わなくていいと思ってます。
でも、服が好きだから。GINCHOが好きだから。ってその気持ちだけで来てくれます。
手に取る服も、納得できます。
《あー。そうそう、それ似合いそうね。好きでしょうね。》って思います。
もくもくと店内をグルグルグルグルしています。
時折、『私はねー、、、』と何か話します。
まあ、年寄りさんの言いそうなことで(笑)
「そんなこと言うの、似合わないですよ?」とお話しすると
『年を取るのはいかんねー。ごめんねー。いやー。いかん(笑)』と話します。
 
「○○さん、僕、手は動かさして下さいね」とお話しすると
『いや、もう、全然!お構いなく。ごめんね』と
僕の時間を奪うようなことはしません。
オシャレやんか。と思います。
 
今日の最後は
『こうじろうさん、痛み止めを飲まなくてはいけない。水をもらえませんか?』でした。
『こうでもしないと、なんにも出来ないんだから、無様になったもんだ』というので
「生きる事そのものが無様ですよ。僕も無様ですよ。でも何とかしよう。という態度で保つんです」
「○○さん、それでいいんです。」
 
『じゃあ、痛み止めが効いて、明るいうちに帰るね。
12月まで持つかわからないけど、またくるね』
そういって帰っていきました。
 
 
〈鍵をなくして嫁さんと探す〉
今日も、商品がたくさんきて、ちょっと記憶があいまいなくらい
忙しく過ごした一日でした。
ん?○○さん来たけど、何時だった?って感じです。
で、今日は結婚記念日なので、花屋さんによって帰ろうかとして、鍵がない事に気づく。
そういえば、忙しい時に”鍵を見せて”ということを言われ、内心面倒やな。と対応したな。
 
そのあと、鍵入れに入れに行くのが億劫でどこかに置いたんやろうな。と1時間くらい探しました。
花屋さんの閉店も確定して、いつもの時間に帰れないことも確定して
とても、破れかぶれな気持ちになりました。
”しなければ、他に差し支えること”がどんどん溜るのに。
多くの人の”ちょっとの事だから”が重なって、自然と僕は追い詰められ
気持ちに余裕がなくなっていたんだなぁ。と気づきました。
嫁さんに電話して、先にご飯食べて、寝てて。帰れないから。と伝えました。
一緒に探そうか?と言われましたけど
荒んでしまって「来たところで」って話して、電話をきる。
あー。死んでしまえないかなぁ。と思いながら探す。
紐を持つ。80%くらいの気持ちが一気に60%くらいまでしぼむ。
意気地なし。ともう一人の僕が言う。
 
コンコン。  嫁が来た。
”なんでなくしたん”とか”きっと見つかるよ”とか
アホみたいな正論言われたら、もたんかもしれんな。と思い扉を開ける。
もくもくと、僕が行きそう、置きそうなところを探す。
ありがたかった。
埒が明かないので、うどんを食べに行く。
嫁さんを先に店に帰らしてタバコを吸いにいく。
気持ちに余裕がないのは、いかんなぁ。と反省する。
 
鍵が見つかる。
 
あー。こんなところに。っていう感じ。
僕っぽい。見つけた後になると、僕っぽいな。と納得する場所だった。
 
とても、良い。
嫁さんの賢さと、やさしさと、沈黙に助けられた結婚記念日でした。
 
 
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